醸しコラム

Column

契約農家【ゆめうらら】様

2020.05.16

弊社では、安心して飲める日本酒を提供できるよう、地元能登の契約農家さんと連携して酒米を栽培していただき、能登産の原材料にこだわった酒造りを行っています。

契約農家さんの一つである志賀町の「株式会社ゆめうらら(以下:ゆめうらら)」様には百万石乃白、山田錦、五百万石、食用米(能登牛純米に使用されるゆめみずほ等)、もち米など多岐にわたる品種を栽培していただいております。

酒造好適米として代表的な銘柄といえば山田錦があります。山田錦は遅く成熟する晩稲(おくて)の品種で、生産地として有名な兵庫県では6月頃から田植えを行います。能登地区での山田錦の一般的な田植えは5月中旬以降。しかしながら、ゆめうらら様では4月から田植えを行っています。これは、ゆめうらら様のチャレンジの一つです。

「お米作りは、常にチャレンジだ」と、ゆめうらら裏社長は語ります。
能登の気候にあった米作りを模索し、肥料メーカーと連携して、土壌分析・独自の栽培暦作成・肥料の配合を行うなど、常に改善を重ねていらっしゃいます。
裏社長は「能登の農業を守るとこと」について考え、それは「自然環境を元に戻す」ことが答えなのではないか、能登の大地で、人間が生きるためだけのお米ではなく、すべての生き物が生きていける環境を復活させることが、私たちができる能登への最大の恩返しだと考えていいらっしゃいます。

そうした思考を実際に行動へ移し、ゆめうらら様の水田は民間機関である「米・食味鑑定士協会」から「環境特A地区」の認定を受けました。植物を育てる上で、最も大切である水の鑑定や、昆虫・魚類・鳥類などの観察記録を経て、水田の安全性と豊かさが証明されたのです。

また、ゆめうらら様は「水田作りからの酒造り」にもご賛同いただき、能登の耕作放棄地を活用した取り組みを共に進めています。時には石川県内の大学生や弊社お取引企業様の受け入れもご快諾いただき、共創体験型の酒造りにお力添えをいただいております。おかげさまで、現在までに東京ドーム5個分の耕作放棄地の削減に繋がりました。

耕作放棄地のなかには、お米の栽培に適さない土地もあります。その土地では小麦・大豆を栽培していただき、ここで育った小麦や大豆は弊社の醤油の原材料となります。能登産・手作りの丸大豆醤油を目指す弊社にとっては、ゆめうらら様の機転が追い風となりました。

他にも、ゆめうらら様には見習うべき点が数多くございます。
なかでも心打たれたのは、地元の方と共に歩む姿勢です。お米作りをさせていただく田んぼの持ち主(地主さん)やお客様とコミュニケーションをとることはもちろん、地域の祭りやイベントにも積極的に参加され、地元で交流を図ることを社員の方にも推奨しています。
良い米づくりにはその土地での情報交換が重要ととらえ、地域の声を大切にしています。また、信頼なくして会社や地域の発展はないと、裏社長はおっしゃいます。異業種から農業の世界へ飛び込み、地元への感謝と愛情を常に持つ裏社長らしさが、この言葉ににじみ出ています。

「農業には夢がある!」
この言葉を何歳になっても胸を張って言える農家であることが裏社長のモットーです。夢を叶えながら、未来へチャレンジしていくことで能登とともに発展してゆこうとする、ゆめうらら様。弊社としましても、共に新しい取り組みにチャレンジし、今後も地域に貢献し続けてゆきたいと考えております。


■株式会社ゆめうらら様HP
www.yumeurara.co.jp

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