石川県内28蔵の日本酒と人気飲食店様のお料理が楽しめる一大イベント「地酒と美食の祭典 サケマルシェ」が毎年10月に催されます。その関連イベントとして、特別なペアリングが楽しめる「サケマルシェウィーク」が今年も開催されました。今回のコラムでは、その様子をお届けいたします。

今年の数馬酒造は七尾市の「一本杉川嶋」様とご一緒させていただき、9月16日に7名のお客様をお迎えして、極上プレミアムなペアリングをお楽しみいただきます。

会場となった「一本杉川嶋」様はミシュランガイド2021で一つ星を獲得し、一年先まで予約が埋まるほどの人気店です。店主の川嶋様は七尾市出身。地元食材の良さを引き出したお料理を通して、故郷の魅力を発信されています。大将の織りなすお料理と人柄に魅了されて、季節ごとに通う熱烈なファンの方もいらっしゃいます。
そんな「一本杉川嶋」様がサケマルシェウィークに初参加されるとあって、ご予約開始から半日も経たずにお席は完売となりました。その注目の高さに驚きながらも、ご一緒させていただける喜びを感じ、また皆様の期待にお応えできるようにと私たちも力が入りました。

それでは、当日のペアリングを一挙にご紹介いたします。
提供順に記載しています。

乾杯酒
「竹葉 瓶内後発酵純米酒」

乾杯酒はスパークリング日本酒で、開宴を華やかに演出します。
IWC2023（インターナショナルワインチャレンジ）にて、海外でも高くご評価いただいたお酒です。梨のようなジューシーさ、きめ細やかな泡感が頬をくすぐります。

先付
鱧（はも）　そうめん南瓜　空心菜
「竹葉 純米大吟醸40％」

こちらのお料理は「五感」と「五味」を大切にしたお料理です。鱧の弾むような食感、そうめん南瓜や空心菜のシャキシャキとした歯触りを土佐酢ジュレがまとめ上げます。
糖のような甘味と後口に酸味が効いた純米大吟醸をペアリングしました。お酒の甘味のトーンも繊細ですので、鱧の淡く繊細な甘さに寄り添います。

前菜
イチジク
「川嶋オリジナルラベル 生酛仕込み純米 直汲み無濾過生原酒」

旬のイチジクをごまだれとともに。直汲みのチリチリとした口当たりや、お酒の持つナッツのニュアンスがゴマの風味とリンクします。
川嶋オリジナルラベルは、今回のサケマルシェウィークにあわせて誂えています。大将ロゴの酒瓶が登場すると「似ている！」「限定酒が飲めて嬉しい」とお客様に喜んでいただきました。

椀物
のど黒　玉子豆腐　つるむらさき　柚子
「NOTO 純米大吟醸 プロトタイプ 無濾過生原酒」

中秋の名月が丘からゆっくりと上っていく様子を表現した一椀。立ち上る湯気までも、たなびく薄雲のように見立て、秋を味わう至極の椀物です。
こちらにはKINMI Sake（日本酒応援団）様オリジナルシリーズの百万石乃白を使用したお酒を。心地よい清涼感があり、ふんわりと柔らかな口当たりに、すっきりとした酸が追いかけるように立ち上がります。お魚料理との相性が良く、瑞々しくライトにお楽しみいただけます。爽やかなグリーンのニュアンスに、つるむらさき、柚子をリンクさせてみました。

お造り
アラ　ばい貝
「川嶋オリジナルラベル 山廃仕込み純米 直汲み無濾過生原酒」

能登の魚介に、薬味はミカン、ワサビ、能登島のお塩。
砂糖菓子のような甘みを持つこのお酒はミカンとの相性がよく、無濾過生原酒ならではの重みのあるテクスチャが歯ごたえのあるお造りに寄り添います。
こちらも今イベント限定のお酒です。一本杉川嶋様のシンボリックな建物をあしらっています。

藁焼き
鰹（カツオ）
「NOTO 純米大吟醸 無濾過生原酒」

こちらもKINMI Sake（日本酒応援団）様オリジナルシリーズのお酒です。ドライでフルボディな味わいは海の幸と相性抜群。お酒の持つ熟成感に藁焼きの香ばしさ、また鰹の酸味に締りのあるお酒の酸味が相乗して、キレ良く楽しめます。
藁焼きのパフォーマンスも大変盛り上がりました。

お凌ぎ
鯖（サバ）
「閃 純米吟醸」

「川嶋ロール」とユーモアたっぷりに紹介されていましたが、良い鯖が入った時にしか作らないただならぬ気配の棒鯖寿司。お凌ぎと言わず、お腹いっぱい食べたくなるほど。
合わせるお酒は数馬酒造のセカンドブランド「閃（せん）」です。甘みのあるボディ感、後口の辛味やドライさが肉厚な鯖の旨味を受け止めます。

八寸
カアマス　加賀蓮根　南瓜　蛸　ゴーヤ
朝どれ枝豆　烏骨鶏　甘海老　アオリイカ
「竹葉 純米吟醸 ひやおろし」

ススキにウサギ、虫かごと中秋の名月をイメージして、秋の気配たっぷりの演出で提供された八寸。どこかから鈴虫の声が聞こえてきそうです。
合わせるお酒はやはり秋限定の「ひやおろし」です。穏やかな香り、淡い甘さ、とろみ、後口の伸びがありますので、宝石箱のように詰め込まれたどの品々とも食中酒として寄り添います。

肴
雲丹（ウニ）素麺
「竹葉 特撰大吟醸 美齢 平成八年酒造年度古酒」

ウニ素麺に出汁ジュレを掛けた一品。
お酒は約30年の時を経た「美齢」の古酒です。気品のある香り、鼻に抜ける心地よい風味、包まれるような長い余韻がウニのとろける食感と甘味のあるクリーミーさと一体となって、豊かさのあるふくらみをお楽しみいただけます。

焼物
能登うなぎ
「竹葉 純米生貯蔵酒」

知る人ぞ知る「能登うなぎ」の白焼きに、骨せんべい。ワイルドな滋味のあるうなぎには、じんわりとコク旨の純米生貯蔵酒を。味のある酸味がなじみ、ほっと心和らぎます。

煮物
大トロ茄子　鮑（アワビ）
「竹葉 生酛純米 奥能登」

蒸しアワビの芳醇な香りと潮の香りが、海藻酵母で醸す「竹葉 生酛純米 奥能登」のミネラル感と、またお酒にあるわずかな苦みとアワビの肝の味わいにリンクさせています。お茄子のとろとろのテクスチャに合わせて、ぬる燗でとことん旨味を楽しむ組み合わせです。

食事
イカ　万願寺　藻屑蟹　新米

イカと万願寺御飯に、岩もずくの粕汁。粕汁には数馬酒造の酒粕をご使用いただきました。
ここからが一本杉川嶋様の真骨頂ともいえる土鍋炊きご飯の登場です。ピカピカの新米に、海苔の佃煮（通称「川嶋ですよ」とご愛嬌）、烏骨鶏卵の卵かけご飯、十年山葵とお塩といったご飯のお供達たちで有終の美を飾ります。満腹のはずですが、もう一杯もう一杯とおかわりするのも頷けます。

デザート
梨　シャインマスカット　ブルーベリー
お月見団子
「NOTO Dessert SAKE 無濾過生原酒 2020」

締めのデザートには、KINMI Sake（日本酒応援団）様オリジナルシリーズのデザート酒を合わせました。仕込み水の代わりに大吟醸酒を用いる贅沢なお酒です。デザートワインのようなフルーティで爽やかな甘みはスイーツとのペアリングにおすすめで、リッチで幸せな余韻に包まれます。

 

能登の食材を活かした丁寧なお料理に、能登の地酒を合わせるペアリングディナーイベントは、能登愛が溢れる至高のひとときとなりました。
参加されたお客様からは「数馬さんのお酒は本当にどれもお料理と合う」「単体で飲むとしっかりと満足感がある味わいなのに、お料理と合わせるとすっと控えめに寄り添う酒になる。感動する」「食中酒の真髄に触れたようだ」と大変嬉しいお言葉を頂戴しました。
私たちもこのような素晴らしい時間をご一緒させていただけて、心躍る一夜となりました。ありがとうございました。
 

この記事でご紹介した商品

通年でお求めいただける商品をご紹介いたします。

KINMI Sake（日本酒応援団）様のお酒についてはこちらをご覧ください。
https://kinmisake.com/

「閃」は受注生産品でございます。商品のお求めについては各特約店様へお問い合わせいただけますと幸いでございます。
https://chikuha.co.jp/column/sen/