醸しコラム

Column

《レポート》社員研修「フレンチとのマリアージュ」

2019.07.23

弊社社員の研修会を行いました。
数馬酒造のお酒「竹葉(ちくは)」は、食事が楽しくなる、お料理の味に添う食中酒を目指して醸しています。今回の研修ではフランス料理に竹葉を合わせ、日本酒の可能性について学びました。

ご協力いただいたのは、輪島市にございます「L’Atelier de NOTO」様。
能登で生まれ育った池端シェフが織りなすお料理たちはどれも美しく輝き、一品一品をゆっくりと味わいたくなる珠玉のひとときでした。

このレポートでは、当日のお料理とお酒についてご紹介します。
フランス料理はめったに召し上がらないという方にも、日頃の食卓で日本酒を合わせる際のヒントになれば幸いです。

乾杯はフランス料理らしく、シャンパンで。
蒸し暑い日の一杯目に、しゅしゅわと心地よい発泡感が乾いたのどを潤します。

1品目のお料理は「クレープ サバ マス」
クレープには能登産の海藻を4種類用いています。
こちらはよく冷えた「竹葉 能登純米」と合わせました。

2品目は「鰹 クスクス」
宇出津港で水揚げされたソウダガツオ、クスクスに上品な甘みのトマトソースを絡めて。このトマトは輪島市の上田農園様で作られたものです。
こちらのお料理は「ソーヴィニヨン・ブラン」と合わせました。

3品目は「イカ 茄子 春菊」
絶妙な火加減で炙られたイカに、春菊のソース。合わせるお酒はもちろん「竹葉 いか純米」。
控えめに主張する春菊の青い香りとライムの香りが、いか純米とマッチしていて、いつもよりどっしりとしたお酒の旨味が感じられました。

4品目は「フォアグラ 芋」
フォアグラとイチジクのパテをパリっと揚げたジャガイモで挟んだお料理。1品目もそうでしたが、フランス料理ながら手で直接とって口に運ぶスタイルは、身体全体でお料理を楽しむような遊び心がありました。
こちらに合わせたのは、なんと「竹葉 能登の梅酒」。食前酒やデザート酒として登場することがほとんどの梅酒がここで登場するとは思いもよりませんでした。隠し味のイチジクの甘みと梅酒が良く合い、ポテトの塩気とフォアグラの濃厚さをマイルドにします。

5品目は「フォアグラ とうもろこし」
フォアグラのソテーにそら豆、とうもろこしを添えて、オレンジと生姜のソースでいただきます。
こちらのお料理にも「竹葉 能登の梅酒」を合わせました。とうもろこしの甘みと梅酒をマッチングさせたそうです。フォアグラの余韻をお酒でさっと流したくなりがちですが、ソースの爽やかさ、梅酒のコクと酸味も相まって、いつまでも浸っていたくなるおいしさでした。

6品目は「ボタンエビ」
生きたボタンエビを目の前で調理してくださいます。ぷりぷりの触感を残して野草蒸しに。
常温に近づいて甘さがより感じられる「竹葉 能登純米」と合わせます。和食のようなシンプルなお料理には日本酒がよく合うそうです。二口目はレモンを搾って、「ロゼワイン」と。先ほどとは違った様相を味わえ、場も一層盛り上がりました。

7品目は「鱸 ブイヤベース」
肉厚な鱸(スズキ)をふんわり、かつ表面はカリッと焼いたソテーを、エビのエキスが感じられるブイヤベースソースに絡めていただきます。
こちらのお料理には「竹葉 いか純米」を。「このお酒は絶対ブイヤベースに合う!」と池端シェフの狙い通り、しっかりと重心を感じる味わいがブイヤベースと◎。味のバランスが良いといわれる「竹葉 能登純米」とも好相性でした。

8品目は「大葉 パイナップル」
大葉とパイナップルを使った、お口直しのシャーベットです。
粉雪のように、これほど軽く感じるシャーベットには一同驚きでした。そして、お料理はいよいよクライマックスへ。

9品目は「能登牛 塩包み」
能登牛を塩釜焼に。塩の塊を叩いて割る作業を弊社社員が担当し、「食す」こと以外にもエンターテインメント性を持たせる気遣いに感銘を受けました。
能登牛の濃厚な味わいに、舳倉島の塩が旨味を上乗せし、お肉好きの社員が唸ります(笑)。
合わせたのは「赤ワイン」。ほどよい酸味と芳醇な味わいやワイン特融のクセを楽しみながら、日本酒でこのクセを出せないものかと醸造課の人たちは活発に意見を交わしていました。

10品目は「鮑 リゾット」
鮑(アワビ)の登場に歓声が上がります。カニ身、カニ味噌の入ったリゾットの上に、柔らかく仕上げたアワビが添えられました。貝類にも良く合うということで、「竹葉 いか純米」と合わせます。カニ味噌の味わいに負けない旨味、程よい酸味と香りが食事を進めます。

11品目は「メロン」
メロンシャーベットの下にはブリュレが隠されており、オレンジピール、生姜、オリーブオイルで爽やかに仕上がった、二度三度おいしいデザートでした。


食後に「L’Atelier de NOTO」の皆様と。

最後まで驚きと楽しさを忘れさせない、素晴らしいコースでした。
また、お酒に合わせて選ばれたグラスや輪島塗のプレート、珠洲焼のお皿など、細部に至るまでシェフの心遣いが感じられ、とても豊かな時間を過ごすことができました。
池端シェフをはじめ、「L’Atelier de NOTO」の皆様に深く感謝いたします。誠にありがとうございました。

今回の研修で得られた気づきや知識を今後の酒造りや商品販売、会社創りに生かし、新しくできる醤油も合わせて、竹葉ファンの皆様の食卓を豊かにしてゆけたらと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

Photo:蔵人又木

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