醸しコラム

Column

令和6年能登半島地震|復旧活動レポート4 1/27~31

2024.02.03

令和6年能登半島地震におきまして、たくさんのご心配と温かいお心寄せを頂きまして心より感謝申し上げます。
同じく被災なさった皆様にはお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧とご安全をお祈り申し上げます。

数馬酒造もおかげさまで、少しずつ復旧復興にむけて歩みを進めることができています。その様子をレポートとして綴ってまいりますので、ご覧いただけましたら幸いです。

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●2024年1月27日
石川県金沢市の福光屋様がご来社くださり、約3500Lのもろみの救出作業を2日間かけて行ってくださいました。週明けの月曜日から上槽と瓶詰めをしてくださるとお聞きし、本当に心強く有り難く思います。
こちらのもろみは純米大吟醸になる予定で醸していたものです。白くきめ細やかなもろみからは、メロンを思わせる爽やかで芳醇な香りがしていました。もろみをホースで注ぎ入れてくださっていた営業の方からも「これは絶対うまい酒や」と嬉しい言葉がこぼれて、安堵いたしました。

翌日の28日には福光屋専務の福光様もお見えになりました。サケマルシェなどの酒造組合の活動を通し、長年懇意にさせていただいております。笑顔で大きな励ましを頂きました。
福光屋様によるご支援
こうして1月17日から10日間にわたり、県内外の酒蔵様のご協力のおかげさまで、弊社にある仕込み中のもろみ約1万5000Lを搬出することができました。
一度は諦めかけたもろみを、酒にすることができること自体、筆舌に尽くしがたい感謝です。茫然自失の時には想像出来なかった未来を与えていただいています。この酒が皆様の心を和らげ、未来を励ます一滴になりますことを心から願います。

※救出いただきましたもろみの商品化については、2月2日現在、詳細は未定です。
弊社もお酒の仕上がりを待っている段階でございます。発売時期や流通販路などについてたくさんのお問い合わせを頂いておりまして、誠に有り難く存じますが、改めて弊社ホームページにてご案内させていただきますので、それまでお待ちいただけますと幸いでございます。

 
同日、石川県白山市の吉田酒造店代表 吉田泰之様、日本酒イベント「若手の夜明け」を主催する株式会社Clandのカワナアキ様がご来社されました。
お二人からは「被災日本酒蔵 共同醸造支援プロジェクト」立ち上げのお話を頂きました。県内外の酒蔵さんと共同醸造をするご支援です。

1月31日(水)からMakuake様を通じて、本プロジェクトの第一弾が公開されました。
※醸造についての詳細は調整中でございまして、未定の段階です。まずはこのようなご支援のお気持ちに感謝申し上げます。
能登の酒を止めるな!被災日本酒蔵共同醸造支援プロジェクト【第一弾・2024春】
https://www.makuake.com/project/noto_sake1/

 
 
●2024年1月29日
弊社が運営するサブスクリプションサービス「Fun Fan Chikuha!」の出荷作業を行いました。
昨年末にすでにご決済を頂き、本来であれば1月15日発送の1月号をお届けしている予定でしたが、被災後、会員様には大幅な遅れが生じることをお詫びし、発送日未定のままお待ちいただいておりました。
日ごとに状況が変わっていく中ではありましたが、この数日前に1月30日の発送を目指すと決め、皆でそこに向かって準備を進めました。
「Fun Fan Chikuha!」では、能登にゆかりのあるおまけを不定期で同梱しております。1月号のおまけは、同じく被災した能登町松波地区の西中農園様の花柿(干し柿)でした。昨年末にご用意いただき、年明けの地震後に直接お届けがありました。有り難く引き取らせていただき、今回の1月号のおまけとして大切に同梱させていただきました。
Fun Fan Chikuha!1月号
また社内では、通常リモートワーク勤務をしている広報社員に加え、加賀地区に避難中の社員からも遠隔でのサポートがあり、離れていても一丸となって作業をすることができました。
同梱するリーフレットの内容は一部ペアリングレシピ制作などを省略した簡易版でございましたが、1月30日の発送に向けて全力でご用意いたしました。
仲間の頼もしさを感じながら皆でゴールを目指して作業ができること、その先のお客様を想えることがどんなに有り難いことかを、また強く噛みしめました。

おかげさまで1月30日に無事に発送することができ、お受け取りの会員様からSNSなどを通じて嬉しいご感想を頂きました。長らくお待ちいただいたこと、そして無事にお届けできまして感謝でいっぱいです。

※「Fun Fan Chikuha!」につきましては、ただいま新規お申し込みの受付を停止しております。オンラインショップ再開までお待ちいただけますと幸いでございます。

 
 
●2024年1月31日
既存のお取引先様である県内外の問屋様・酒販店様へ、震災中にお待たせしておりました商品の発送を順次開始いたしました。
佐川急便様の配送状況にもよりまして一日の出荷量には限りがございます。
また、断水の状況下で瓶詰などの製品化の一切がストップしております。現在は難を逃れた保管商品を洗浄し、ラベルの貼り替えを行いながら商品を準備している状況でございまして、在庫は潤沢にございません。細やかなご案内が行き届かないことを心よりお詫び申し上げます。

新しいお取引のお申し入れもこの度の地震を機に頂戴いたしますが、お応えできる十分な在庫状況になく、現時点ではお受けできず、誠に申し訳なく思っております。
今後の状況が好転してまいります際には、応援いただけましたら大変有り難く存じます。

 
また同日、嬉しいご訪問がありました。長野県木曽郡木祖村の湯川酒造店様より代表の湯川尚子様が営業の方とともに、ご来社なさいました。木祖村の仕込み水を蔵内の洗浄用にと、2000Lのお水をお持ち込みいただき、湯川様自らトラックから荷下ろしくださいました。
湯川酒造店様によるご支援
湯川様とは新澤様と同様に、ロンドンで行われたIWC2023での授賞式でご縁をいただきました。ロンドンに続きマカオでもお披露目会があり、田舎に位置する蔵元同士、互いに共感することも多く、IWC2023のチャンピオンサケを獲得なさった湯川さんの酒造りのお話は大変興味深く、たくさんのお話を伺っておりました。
お帰りの間際、湯川様が弊社の「能登を醸す」という経営理念を、素晴らしいよねとおっしゃってくださいました。昨年のIWC2023においてトロフィーを獲得したご縁がこのように続いておりますこと、本当に幸せに思います。

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その他にも書き切れないほどのたくさんのお心寄せを頂戴しております。温かいお気持ちに心から御礼申し上げます。
皆様に励まされながら復興への想いを一層強くいたします。
引き続き、応援いただけますと大変有り難く存じます。皆様もどうかご安全に平穏でありますように。

数馬酒造オンラインショップ