こんにちは、広報スタッフです。6月下旬に梅酒の原料となる梅の実の収穫を農家さんと共に行いました。この土地を管理されているのは、珠洲市の山間に暮らす有志の皆さんです。
数馬酒造が日本酒ベースの梅酒造りを手掛けて以来、10年以上のお付き合い。毎年、良質な梅を継続して納入してくださり、低農薬栽培で育てられた、大粒で丸々とした梅は「竹葉 能登の梅酒」にはなくてはならない存在です。
ところが近年では、担い手農家さんの高齢化や梅の木の老朽化などによって、梅の実の収量が減少し、能登の梅は希少化の一途にありました。そのような中、ついには農家さんが木の管理を諦めようとしていたため、この農地管理を数馬酒造が引き受けることとなりました。
数馬酒造の経営理念は『能登を醸す』です。『醸しのものづくりで能登の魅力を高める』という使命のもと、能登の貴重な梅の木畑を守りながら、持続可能なものづくりを目指したい一心からの決断です。
今後の一定期間は農家さんから技術を徐々に学びながら、独り立ちできるよう進めていく予定です。5月には農家さんとともに、弊社社員が農地の草刈りも実施しています。
かくして、醸造社員2名、広報社員2名にて初の梅の実の収穫作業に挑みました。すずなりに実った大粒の梅を一粒ずつ手作業で摘み取ります。農家さんの指示を受けながら、時には木に登り、枝を搔き分けながらと、約2時間の収穫作業を行いました。
用意した背負いかごは枝の間に身体を入れるには邪魔となり、またかご一杯に梅の実を入れようとすれば大変重く、大は小を兼ねるとした目論みが裏目に出てしまいました(苦笑)
一方、農家さんは手慣れたもので、お手製バッグを提げてすいすいと木に登り、「はい、あなた、この枝をしならせて下ろすから梅の実を採って」と空の方から声がかかります。両手で夢中になって摘み取りました。
参加した醸造社員に感想を尋ねると「酒造りは下を向いて行う作業ばかりなので、ずっと上を向く作業は新鮮。でも首が痛い」と話していました。もちろん翌日に筋肉痛となった社員もおりますよ。こんな大変な作業だから一粒も無駄に出来ないよねと皆で笑い合いました。
こうして農家さんと直接交流することで、作業の大変さを改めて体感し、農家さんへの感謝の気持ちは溢れるばかり。ありがとうございました。また農地継承という、地域の課題解決に貢献できることも嬉しく思います。
今後は梅の木畑の関係人口を増やし、地域活性化や交流の起点となるような取り組みに発展させたい展望です。能登の梅や里山保全に関心をお寄せいただく方が、一人でも多くありますよう願います。