この度の地震に際しまして、たくさんの温かいお心寄せを頂きまして心より感謝申し上げます。
同じく被災なさった皆様にはお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧とご安全をお祈り申し上げます。
おかげさまで復興への道を一歩ずつ力強く歩んでいます。
その様子をレポートとして綴ってまいりますので、ご覧いただけましたら幸いです。
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能登半島地震から50日が経過しました。
未だ断水が続き、崩れた街の景色にも大きな変化はないままです。時が止まっているようにさえ感じることもあります。能登半島地震の復旧に要する時間が、これまで類を見ない長期的なものだと指摘されますが、やはり半島ゆえの地形的な難しさとその被害が甚大かつ広範囲であることを物語っていると感じます。
少しずつ酒造りの再開や販売に向けた様々な準備が始まりました。明るい気持ちを運んでくれると同時に、災害後のイレギュラーな対応のため、これまで経験のなかった業務や事務が膨らむのも事実です。断水の状況下では社員の生活のためにも、依然として業務時間を短縮せざるを得ず、ひとつひとつの事柄を前に進めようにも俊敏にはなれない難しさを感じます。今はまさに復旧と復興の狭間にあります。こういった葛藤も含めて復興への道なのだと理解しています。
●2024年2月14日
久しぶりにジャケット姿の社長を見ました。この日は厚生労働省ユースエール企業認定の交付式が行われました。本来は年明け早々に金沢市で行われる予定でしたが、地震の影響で延期となり、弊社近くの能登町ハローワークを会場にしてくださいました。
奥能登地域の企業かつ北陸の酒蔵で初の認定とのことで、大変有り難く思います。既成概念にとらわれず、ひとりひとりがよりよい働き方に向けて思考の転換と工夫を重ねてくれた賜物です。実際、見違えるほどの生産性と受賞成績の向上に直結しています。そして何よりも社員の健やかな生活の基盤に寄与していることを実感し、嬉しく思います。これからも生き生きと働ける環境の整備に努めていきたいと思います。
●2024年2月16日
リモートワークの社員も出社したタイミングで集合写真を撮ってみました。都合で不在の者もおり全員集合は叶いませんでしたが、おかげさまでみな元気にしております。
セルフタイマーで撮ろうとしていたところ、車で通りかかった北九州市上下水道局の方から「撮りましょうか」と優しいお声が。親切な職員さんに、断水解消を祈願しながらお礼とエールをお送りしました。どうかどうかよろしくお願いいたします。
この日は竹葉のサブスク「Fun Fan Chikuha!」2月号の発送準備日でした。
どんな状況においても、おいしいということは幸せの根幹だと身をもって確信します。今月は思わず頬がゆるむ生酒2本と能登のおまけをご用意しました。このお酒もギリギリ無事にあって2月号でのお届けが叶いました。
Fun Fan Chikuha!の会員様をはじめ、お客様からはハガキやSNSでたくさんの励ましを頂いています。ひとつひとつお返事出来ずにおりますが、社員で有難く拝読しています。
日本酒が運んでくれるご縁がこんなにも温かく、ときに熱く私たちを鼓舞してくださることに、深い感謝と感動を覚えます。楽しみに待っていてくださる皆様を思えば自然と力が湧いてきます。
会員様以外にもお待たせしているお客様がたくさんいらっしゃることを承知しております。レギュラー商品の出荷も、弊社公式オンラインショップも3月の再開を目指します。どうか今しばらくお待ちいただけますと有り難く存じます。
●2024年2月19日・20日
この週はできる限り社員全員で片付け作業に徹することにしました。
まずは数馬酒造本社からほど近い山際の倉庫の片付けに着手しました。人手があるとやはり進みが早い。持ち前の連携力もここぞとばかりに存分に発揮します。
余談ですが、もともと作業の合間のブレイクタイムを大切にしていましたが、地震後はこのブレイクタイムがさらに重要なものになっています。今日のおやつは何かなと朝からそんな話題で始めています。
●2024年2月21日
酒造りの主要部である仕込み蔵の清掃を進めています。
1階は主に津波被害による汚泥の洗浄です。2階の醗酵室はタンクからこぼれたもろみの粒があちこちに散乱し付着しています。
救援でいただいたお水を活用しながら丁寧に洗浄しています。範囲が広いため、本当にひとつひとつ地道な作業が続きます。
午後には、金沢国税局酒類鑑定官の方々がご来社されました。酒蔵内の現状を確認し、仕込みを再開するにあたっての衛生管理や醸造に関してのアドバイスを頂きました。
地震前に上槽されていた保管中のお酒を試飲していただき、それぞれの状態を確認していただきました。断水が解消された後の優先度や方向性について示唆を頂戴することができました。
●2024年2月22日
この日は先輩社員によるカレーの炊き出しがありました。心なしかみんなのモチベーションがお昼のひとときに集中しているように感じました。
数馬酒造のメンバーは幅広い年齢層で構成されているので、それぞれの知見や技量を持ち合わせる弾力性がチームの強みのひとつです。
季節雇用の蔵人らが酒造りの主であった頃は食堂に揃って用意された昼食や夕食を取ることが常でしたが、現在はそれぞれが自由に持参し、集うもよし一時帰宅するもよしのスタイルになっていました。久しぶりに同じ釜の飯を食べて団結が一層強まった気がしました。本当に元気が出るカレーでした。先輩を見習って自分も誰かのためにできることをしていきたいなと、温まったお腹を撫でながら思いました。
県内外にもろみを救出いただいたお酒は3月中に順次「Saved byシリーズ」として発売をすることといたします。詳細につきましては、ホームページお知らせ「もろみを救出いただいた日本酒の販売について」をご覧ください。
その他のご案内も続いてまいります。
引き続き、能登に想いを寄せていただけますと嬉しく存じます。
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皆様からの温かいご支援、励ましに心から御礼申し上げます。
皆様もどうかご安全に平穏でありますように。
これからも日本酒をお楽しみいただき、応援いただけますと大変有り難く存じます。