醸しコラム

Column

【連載】数馬酒造の醤油 vol.2|保育所を醤油蔵に

2019.06.25

新しい醤油蔵の舞台となるのは、かつて子どもたちが集う保育所でした。
能登町鶴町地区にある神野(かんの)保育所は少子化のため2010年3月に閉園。空き施設の利活用が懸念されるなか、弊社既存の醤油蔵が老朽化による移転を検討していたことも相まって、保育所を醤油蔵として改装し利活用することを町に提案、土地と建物の貸し出しが決まりました。

 

能登町鶴町地区は自然豊かな山あいに位置し、以前の醤油蔵に比べて少し標高が高いため平均気温が低く、醤油のもろみをじっくりと静かに寝かせるには最高の場所といえます。
改装した保育所では、職員室を製麹室に、給食室を大豆の蒸し場に、保育室にはもろみを入れる高さ1・5メートルの木桶を並べています。一方で、園児用の小さな下駄箱や黒板など、保育所の趣を残すよう努めた部分もあります。また、子どもたちが遊んだであろう庭園には畑を整備して小麦や大豆を栽培し、町内の子どもたちの課外学習の場として利用できないかと計画中です。

 

弊社の企業理念に【心豊かな 能登(まち)創り】がございます。
今回の廃園になった保育所の利活用のように、能登に眠っている遊休資産を新しく価値のあるものとして創り出していくことが弊社の使命であり、持続可能なものづくりのためのステップの一つでもあると考えています。
子どもたちの賑やかな声の代わりに、私たちの醤油造りが新たな活気をもたらせられたらと取り組んでまいります。

 

現在仕込み中のため、お手元にお届けできるまで今しばらくお時間をいただきます。
どうぞ、お楽しみに。

 

≫数馬酒造の醤油 vol.1|新たなスタート
≫数馬酒造の醤油 vol.3|素材へのこだわり
≫数馬酒造の醤油 vol.4|醤油造りの現場から

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