醸しコラム

Column

【連載】数馬酒造の醤油 vol.4|醤油造りの現場から

2019.07.04

品質の良い醤油造りのためには、人間の手による管理が欠かせません。
醸造課社員に醤油蔵について尋ねてみると「山あいに位置して、空気が澄んでいる。以前の蔵に比べて平均気温が低く、気候が醤油造りに適している。また新しい蔵の作業のしやすさは当初見込んだ通りで、仕込みは順調に進んでいる」と手応えを感じているようでした。

 

醤油の製造作業においては、麹室には自動で温度管理できるような設備を設置、また清酒蔵の設備投資の際に使用しなくなった簡易放冷機を再利用して、蒸した大豆や焙煎した小麦を急冷しています。
製麹は昔ながらの麹蓋のスタイルを踏襲し、習得した技術は清酒製造へ再度活かす狙いもあります。このように醤油事業を清酒事業と並行して進めるメリットがいくつも垣間見られました。

 

弊社社長は常々「能登でお酒を造ることは、農業をはじめとするさまざまな地元産業を連携させる」と言います。これは醤油造りにもいえることです。醤油事業は米作りに適さない耕作放棄地を活用し、廃園した保育所に新たな風を吹き込みました。
加えて株式会社ゆめうらら様では、これまで1年1作であった水田をお米・小麦・大豆を組み合わせた2年3作体系にすることで農地を遊ばせない高効率な農業が可能になったそうです。

 

かくして、新しい醤油は “能登でしか出せない味” を醸し、「安心して使える」「長く使い続けたい」「料理が楽しくなる」と選んでいただける商品になることが目標です。
そして、魚介や野菜など能登の食材と合わせて、能登をさらにPRしてゆけたらと思っております。

 

今後も弊社では、地域の資源をよみがえらせ、生かしていく活動を推進してまいります。
志賀町“仏”木(ほとぎり)地区で育った大豆、小麦を使い、能登町“神”野(かんの)地区で醸す。少々神秘的な醤油になりそうです。

 

現在仕込み中のため、お手元にお届けできるまで今しばらくお時間をいただきます。
どうぞ、お楽しみに。

 

≫数馬酒造の醤油 vol.1|新たなスタート
≫数馬酒造の醤油 vol.2|保育所を醤油蔵に
≫数馬酒造の醤油 vol.3|素材へのこだわり

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