醸しコラム

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《レポート》International Wine Challenge 2023 授賞式

2023.12.27

《レポート》International Wine Challenge 2023 授賞式
いつもありがとうございます。数馬しほりです。

2023年7月上旬に、イギリスのロンドンにて世界的なワインの品評会である「International Wine Challenge(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2023」の授賞式が行われました。
「竹葉 瓶内後発酵純米酒(ちくは びんないごはっこうじゅんまいしゅ)」がスパークリング部門にて最高賞であるトロフィーを受賞し、社長とともに私も授賞式に同席してまいりました。今回はそのリポートをさせていただきます。

「International Wine Challenge(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」(以後IWC)は、その規模も影響力も世界最大といわれるコンテストです。日本酒の審査部門である「SAKE部門」は2007年に新設され、受賞酒は国内外からの注目を集め、今や海外進出における重要なコンテストのひとつとなっています。

私たち数馬酒造もIWCでトロフィーを獲得することを近年の目標にしていました。それがぐっと現実に近づいたのは、2020年にトロフィーの次席に与えられるリージョナルトロフィーを「竹葉 生酛(きもと)純米 奥能登」が受賞した際でした。
能登のテロワールを表現した、能登産の酵母で仕込むオール能登の日本酒が、国際的な評価に値するのだと、大きな励ましと手応えを感じました。奇しくもこの年、数馬酒造は全量能登産米での日本酒造りを達成した年でもありました。
IWC2020リージョナルトロフィー受賞酒「竹葉 生酛)純米 奥能登」
それから3年後の2023年、部門は違えども、トロフィーに手が届いたわけです。しかも試験醸造からわずか2年目のスパークリング酒が引き寄せた快挙でした。

IWC金賞が発表された一週間後に、その金賞受賞酒の中からナンバーワンとしてトロフィーが発表されます。その吉報を耳にした時には、驚きと喜びと達成感と緊張と感謝と、言い切れぬたくさんの感情が一気に流れ込んできました。
社員での受賞祝賀会
そして7月。ロンドンです。
イギリスは学生時代に短期の語学留学をした経験があったので二度目の訪問でしたが、恐れ知らずの若者がはしゃいだ期待を背負って行った時とはまるで心境が違いました。

プライベートでは二人の年子男子と一週間離れることも初めてだったので、家族に協力してもらいながらやりくりをし、本人達とも「お互いにそれぞれしっかり頑張ろうね」と抱き合ってから出発しました。本当に大げさなようですが、この時は真面目に「能登」を、「日本酒」を、「ジャパン」を背負って向かう気持ちでした。笑
International Wine Challenge 2023 授賞式
授賞式は「Hurlingham Club(ザ・ハーリンガム・クラブ)」で行われました。
皆様からの心からの歓迎を受けつつ、審査員の方々とお話をさせていただく機会では、「『竹葉 瓶内後発酵純米酒』のきめ細かい泡感と軽やかな味わいのバランスは素晴らしく、類を見ない完成度だ」と、この上ない賛辞を頂戴し、感動で胸がいっぱいになりました。

その後も、私たちが思うよりもはるかに多くのご称賛の言葉を浴び、能登の恵みに育まれた柔らかく素直な日本酒の美味しさが、これほどまでに世界の舞台に歓迎されるのかと、心が震えました。そして、その賛辞は目の前の私たちだけに向けられたものではなく、私たちを通して、日本、能登、そしてものづくりに挑む人々とそれを支える方々、文化へと向けられているのだと確信しました。
トロフィー受賞酒「竹葉 瓶内後発酵純米酒」
授賞式には日本から各部門でトロフィーを受賞した10の酒蔵が参加していました。翌日の在英国日本国大使館でのお披露目会や懇親会も含め、受賞蔵の皆様と交流させていただいたことも、とても有意義なひとときでした。それぞれの土地で切磋琢磨できることが有り難く、心強くも思いました。
IWC2023トロフィー受賞蔵の皆様と
授賞式の華やかな会場で格別の栄に浴すると同時に、心は静かにまた次に向かっていました。また「ここから始まる」のだと。
私たちが伝えたい「おいしさ」とは何か、「おいしい」とは何か。
この「おいしさ」への終わらない問いを続けていくことが、きっと“ほんもの”に近づいていける唯一の道です。そこに皆様の笑顔が、私たちの行きたい未来があります。

そして私たちは私たちらしく、相変わらず能登らしい素直なものづくりをしていこうと決しました。「お客様の笑顔のために尽くすこと」。そこから焦点をずらすことのないものづくりを、また続けていきたいと思います。

このような光栄な場に立たせていただいたのは、仲間のおかげ、お客様のおかげ、農家さんやご支援くださる方々のおかげ。そして連綿と続いてきた「醸しのものづくり」に携わる先人達と、豊かな地層に育まれた能登の恵みのおかげです。心から湧き出る感謝が、能登の日本酒の素晴らしさを伝えていく使命と決意を一層強くします。

さぁ、またここから始まります。
終わらない幸せな旅です。
皆様と分かち合うために、ひとつひとつ、精進して。
また、行きます。
International Wine Challenge(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)また行きます
 

この記事でご紹介した商品

受賞酒「竹葉 瓶内後発酵純米酒」は少量生産につき、現在一般販売を行っておりません。ご容赦くださいませ。
IWC2020リージョナルトロフィー受賞酒「竹葉 生酛純米 奥能登」は定番酒として、通年販売しております。


 


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