SDGsの取り組み

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Chikuha Oyster

チクハオイスタ―
牡蠣とともに味わっていただきたいお酒「Chikuha Oyster」は、能登の昔ながらの田園風景を守り、これまで廃棄されていた牡蠣の殻を有効活用したお酒です。

このお酒は、移住者の方が中心となって運営する『田舎時間』とのご縁から始まりました。2002年に設立した『田舎時間』は、田舎という空間での農作業を通じて、都会と田舎の両者から参加された方に交流の場を提供するNPO法人です。
このNPO法人の活動のなかで、石川県穴水町の農家さんとの出会いがありました。穴水町は波穏やかな七尾湾に面し、牡蠣の養殖が盛ん。毎年2月には「雪中ジャンボかきまつり」が催され、人口約8,000人の町に二日間で5万7千人もの来場者が集まります。この穴水町で農業を営む河端さんは、農閑期に牡蠣の養殖を行い、牡蠣の貝殻を水田の土づくりに活かす活動も行っています。

河端さんが栽培するコシヒカリは、全量はざ(稲架)干し。
「はざ干し」とは、刈り取った稲のたばを「はざ木」という棚にかけ、天日干しする伝統的な乾燥技術です。天日でゆっくりと乾燥させることで米の食味が増すといわれますが、はざ木を作る「はざ立て」から、棚に上げ下ろしする工程はすべて手作業。加えて稲の乾燥にも時間がかかるため、はざ干しは全国的に減少しています。

はざ干しは能登の秋を象徴する光景のひとつ。どこか懐かしさを覚える大切な能登の資源です。この消えゆく田園風景を守りたく、また不要となった牡蠣の貝殻の有効活用策としても力になりたいと考え、河端さんが栽培するお米を使用して、牡蠣の味わいに合うお酒「Chikuha Oyster」を企画いたしました。

牡蠣は「海のミルク」と呼ばれ、ミネラル類やうまみ成分が多く含まれています。その味わいに寄り添うお酒を追求すべく、牡蠣料理と合わせる試飲会を何度も重ねました。
また、今回はワイン酵母を用いて醸します。ワイン酵母を使用した日本酒は石川県内では珍しく、弊社としましても初めての試み、新たな挑戦です。普段の仕込みでは行わない醪の高温発酵など、酒造りの現場では予測通りに進まない難しさがありました。
こうして仕上がったお酒「Chikuha Oyster」は、牡蠣のミルキーさと相乗するよう酸味を引き立たせ、ほどよい甘みと旨味、ミネラル感が牡蠣の味わいに良く合います。

凪いだ海に広がる牡蠣棚や、昔ながらのはざ干しの風景を思い浮かべながらお召し上がりください。
私たち数馬酒造はこらからも地域資源を活用した、また地域資源を守る“ものづくり”に取り組んでまいります。

 

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